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『ステークホルダー・マネジメント』とは?
ステークホルダー・マネジメントでは、プロジェクトの関係者(ステークホルダー)の要求事項を把握し、その影響をマネジメントしていきます。
ステークホルダー・マネジメントには次の4つのプロセスがありますので、それぞれどのようなものか理解していきましょう。
【1】『ステークホルダーの特定』とは?
ステークホルダーの特定(Identify Stakeholders)プロセスは、プロジェクト発足の初期に行われ、「ステークホルダー登録簿」を作成します。ステークホルダー登録簿には次のような内容を記載します。
名前、所在地、その他連絡先等
要求事項、期待、影響等
内部者・外部者、支持者・反対者、その他影響や関心度等
『ステークホルダーの特定』のインプット情報は?
ステークホルダー登録簿のインプット情報には次が挙げられます。
ベジネス・ケース、ベネフィット・マネジメント計画書
コミュニケーション・マネジメント計画書、ステークホルダー・エンゲージメント計画書
変更ログ、課題ログ、要求事項文書
組織の文化・構造、政府・業界の標準等
ステークホルダー登録簿のテンプレートと教示、過去のステークホルダー登録簿、教訓リポジトリ等
『ステークホルダーの特定』のツールと技法は?
ステークホルダーの特定プロセスのツールと技法には次が挙げられます。
ステークホルダー分析(情報収集と整理、分類、評価)、文書分析
・権力と関心度のグリッド、権力と関与度のグリッド、影響度と関与度のグリッド
・ステークホルダー・キューブ
・突出モデル(セイリエンス・モデル)
・影響の方向性(上:実行組織、経営層、スポンサー、下:チーム、専門家、外:サプライヤー、ユーザ、横:他プロジェクトマネージャー、同僚)
・優先度付け
【2】『ステークホルダー・エンゲージメントの計画』とは?
ステークホルダー・エンゲージメントの計画(Plan Stakeholder Engagement)プロセスでは、ステークホルダー・エンゲージメント計画書を作成します。
ステークホルダー・エンゲージメント計画書には、次のような内容を記載します。
『ステークホルダー・エンゲージメントの計画』のインプット情報は?
ステークホルダー・エンゲージメント計画書のインプット情報には次が挙げられます。
資源マネジメント計画書、コミュニケーション・マネジメント計画書、リスク・マネジメント計画書
前提条件ログ、変更ログ、課題ログ、プロジェクト・スケジュール、リスク登録簿、ステークホルダー登録簿
組織の文化・構造、政治情勢等
会社の方針や手続き、教訓リポジトリ等
『ステークホルダー・エンゲージメントの計画』のツールと技法は?
ステークホルダー・エンゲージメントの計画プロセスのツールと技法には次が挙げられます。
ベンチマーク等
前提条件と制約条件の分析、根本原因分析
優先順位付け、ランク付け
マインド・マップ法
【3】『ステークホルダー・エンゲージメントのマネジメント』とは?
ステークホルダー・エンゲージメントのマネジメント(Stakeholder Engagement Management)プロセスでは、ステークホルダーとコミュニケーションを取りながら適切な関与を促し、プロジェクトを協働します。
『ステークホルダー・エンゲージメントのマネジメント』のインプット情報は?
ステークホルダー・エンゲージメントのマネジメントプロセスのインプット情報には次が挙げられます。
コミュニケーション・マネジメント計画書、リスク・マネジメント計画書、ステークホルダー・エンゲージメント計画書、変更マネジメント計画書
変更ログ、課題ログ、教訓登録簿、ステークホルダー登録簿
組織のコミュニケーション要求事項、課題マネジメントの手順、変更管理手順、過去の情報
『ステークホルダー・エンゲージメントのマネジメント』のツールと技法は?
ステークホルダー・エンゲージメントのマネジメントプロセスのツールと技法には次が挙げられます。
組織内の政治と権力構造、組織の環境や文化に精通している者
正式および特定とディスカッション、課題の特定とディスカッション、会議、進捗報告、調査
コンフリクト・マネジメント、文化的な認識、交渉、観察と対話、政治的な認識
チーム・メンバーだけでなく、ステークホルダーにも期待される振る舞いの設定
【4】『ステークホルダー・エンゲージメントの監視』とは?
ステークホルダー・エンゲージメントの監視(Monitor Stakeholder Engagement)プロセスでは、以下の項目に基づいて、ステークホルダーのプロジェクトへの関与を監視・調整します。
資源マネジメント計画書、コミュニケーション・マネジメント計画書、ステークホルダー・エンゲージメント計画書等
課題ログ、教訓登録簿、プロジェクト伝達事項、リスク登録簿、ステークホルダー登録簿等
『ステークホルダー・エンゲージメントの監視』のツールと技法は?
ステークホルダー・エンゲージメントの監視プロセスのツールと技法には次が挙げられます。
代替案分析、根本原因分析、ステークホルダー分析
多基準意思決定分析、投票
ステークホルダー関与度評価マトリックス
フィードバック、プレゼンテーション
積極的傾聴、文化的な認識、リーダーシップ、ネットワーキング、政治的な認識
『ステークホルダー・エンゲージメントの監視』のアウトプットは?
ステークホルダー・エンゲージメントの監視プロセスのアウトプットには次が挙げられます。
資源マネジメント計画書、コミュニケーション・マネジメント計画書、ステークホルダー・エンゲージメント計画書等
課題ログ、教訓登録簿、リスク登録簿、ステークホルダー登録簿の更新
まとめ
アジャイル型プロジェクトの場合は、よりステークホルダーの積極的な関与や参加が求められます。代表的なものとして、「バックログの優先順位付け」や各イテレーションで「対象フィーチャーの選択」が挙げられますので覚えておきましょう。
次回は、「プロフェッショナルの枠割と責任」について解説していきます。
ー くらしと仕事をワンランク上に ー
以上、YAKUMO(@yakumostyle)でした。
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