【8ー3】資源マネジメントの実行|PMP試験対策

PMP試験対策
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この記事はこんな方におすすめ
  • PMP試験の受験勉強をしている方
  • プロジェクトマネージャーを目指す方
  • プロジェクトマネジメント業務に興味のある方

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このページでは、PMP試験対策として資源マネジメントにおける『資源マネジメントの実行』プロセス群について解説してきます。
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『資源マネジメントの実行』とは?

資源のマネジメントの実行プロセス群では、次の3つのプロセスを行います。本ページでは、それぞれどのようなものか解説していきます。

【1】資源の獲得
【2】チームの育成
【3】チームのマネジメント
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【1】『資源の獲得』とは?

資源の獲得(Acquire Resource)プロセスでは、プロジェクト作業を完了させるために必要とする「チームメンバー」「設備」「装置」「資材」「サプライ」などの資源を確保します。

『資源の獲得』のインプット情報は?

資源の獲得プロセスのインプット情報には次が挙げられます。特に、要員の「可用性(誰がいつ参加できるか)」「能力」「経験」「興味」「単価」は考慮が必要です。(要員の選定において、年齢は考慮基準にはなりません。)

プロジェクトマネジメント計画書:
資源マネジメント計画書、調達マネジメント計画書、コスト・ベースライン等
プロジェクト文書:
プロジェクト・スケジュール、資源カレンダー、資源要求事項、ステークホルダー登録簿等
組織体の環境要因:
チーム資源、資源コストの配賦、プロジェクトへの割当てに関する方針と手続き

『資源獲得』のツールと技法

資源の獲得プロセスのツールと技法には、次のものが挙げられます。

①意思決定:
代表的なものとして「多基準意思決定分析」があり、さまざま基準の評価スコアによりメンバー選定を行う。
②人間関係とチームに関するスキル:
代表的なものは「交渉」で、要員獲得のためにプロジェクト外のマネージャーなどと折衝をする場合があります。
③先行割当:
特定の要員の配置を先に決めておく事をいいます。
④バーチャル・チーム:
オンラインでのチーム(遠隔要員構成)を編成して運用します。

『資源の獲得』のアウトプット情報は?

資源の獲得プロセスのアウトプット情報には次が挙げられます。

物的資源の割当て
プロジェクト・チームの任命
プロジェクトマネジメント計画書の更新
プロジェクト文書(RBS、資源要求事項)の更新

【2】『チームの育成』とは?

チームの育成(Develop Team)プロセスでは、”チーム全体の能力向上” を目的にメンバーの「コンピテンシー」「結束」を高め強化します。これにより、生産性の向上を図る狙いがあります。

チームの育成は、プロジェクト・ライフサイクル全体を通して実行しなければなりません。また、昨今グローバルなプロジェクトが増えており、文化的な多様性も考慮が必要になってきています。

『チームの育成』のインプット情報は?

チームの育成プロセスのインプット情報には次が挙げられます。

プロジェクトマネジメント計画書:
資源マネジメント計画書
プロジェクト文書:
プロジェクト・スケジュール、プロジェクト・チームの任命、資源カレンダー
組織体の環境要因:
人的資源マネジメントの方針
組織のプロセス資産:
過去の情報、教訓リポジトリ

『チームの育成』のツールと技法は?

チームの育成プロセスのツールと技法には次が挙げられます。

①コロケーション(作業場所の終結):
チームの作業効率を高めるために、チームメンバーを同じ場所に集めて業務を遂行させる方法です。
②バーチャル・チーム:
前述の通り、オンラインでのチーム(遠隔要員構成)を編成して運用します。
③コミュニケーション技術:
共有ポータル、オンライン会議、メール、チャットなどのコミュニケーション技術を指します。
④人間関係とチームに関するスキル:
ソフト・スキルとも呼ばれ、コンフリクトマネジメント(後述に記載)、影響力、動機づけ、交渉、チーム形成などがあり、チーム育成のために最も重要とされます。
⑤表彰と報酬:
表彰と報酬を明確に関連付けることにより、業務遂行姿勢を高める公式なマネジメント活動です。
⑥トレーニング:
チーム、メンバーのコンピテンシーを高めるための手法です。(非公式も含む)
⑦個人およびチームの評価:
プロジェクトマネージャーやプロジェクトチームに、長所と弱点について洞察を与えます。
⑧会議:
チームを育成するためのトピックをの議論・対処に使用します。

タックマンモデル

成立期(初期段階)

動乱期(内部に対立が発生する段階)

安定期(共同の意思決定が行われる段階)

遂行期(チームとして成熟した段階)

解散期(チームが目的を果たして解散する段階)

チーム形成にはいくつかの発展段階があります。代表的なものは「タックマン・モデル」で、上記のように分けられています。PMP試験ではさほど言及されませんが、覚えておくと良いでしょう。

『チームの育成』のアウトプット

チームの育成の重要なアウトプットとして「チームのパフォーマンス評価」が挙げられます。チームの育成の目的は ”業務遂行能力の向上” であるので、「個人の能力」「グループ意識」「遂行方法の改善」などの向上によってプロジェクト実績に影響すると言われています。

プロジェクト・マネージャーは、チーム・メンバーの弱点の改善、スキル向上のトレーニングを施す必要があります。(場合によっては要員の交代も図る必要があります。)

【3】『チームのマネジメント』とは?

チームのマネジメント(Manage Team)プロセスでは、プロジェクト・チーム全体的な能力向上を図るマネジメントとして「チーム・メンバーのパフォーマンス評価」「課題解決」「是正処置/予防処置の提案」を行います。

『チームのマネジメント』のインプット情報は?

チームのマネジメントのプロセスのインプット情報には次が挙げられます。問題が発生してスケジュールや予算などの変更が必要な場合は、変更要求をアウトプットします。

プロジェクトマネジメント計画書:
資源マネジメント計画書
プロジェクト文書:
課題ログ、教訓登録簿、プロジェクト・チームの任命、チーム検証
作業パフォーマンス報告書
チームのパフォーマンス評価
組織体の環境要因
組織のプロセス資産

『チームのマネジメント』のツールと技法

チームのマネジメントのプロセスのツールと技法は次が挙げられます。

①人間関係とチームに関するスキル

人間関係とチームに関するスキルには次が含まれます。

コンフリクト・マネジメント (※後述にて解説)
意思決定
感情的知性
影響力
リーダーシップ
リーダーシップは、チームの指揮をとりスムーズに業務が進むよう働きかける能力です。場面によってはビジョンを伝え、高いパフォーマンスを出せるように鼓舞することも大切です。

②プロジェクトマネジメント情報システム

プロジェクトマネジメント情報システム(PMIS)について、PMBOKでは「プロジェクトマネジメントのプロセスから生み出されるアウトプットを収集、統合、および配布するために使用されるツールと技法からなる情報システム」と定義されています。

プロジェクトマネジメントツールのほか、電話、電子メール、チャットツールなどが該当します。

『コンフリクト・マネジメント』とは?

コンフリクト(対立:Conflict)とは、2つの考え方の不一致による問題状態を言います。コンフリクトへの対応方法は次の5つが挙げられます。

①撤退や回避:
撤退や回避は解決をあきらめ、対立の解決について議論することを放棄します。双方とも解決にならないため「Lose-Lose」の関係になります。
②鎮静や適応:
意見の異なるところではなく、意見の同じところを強調することで一時的な対応策とし、対立点を先送りにします。撤退や回避よりは良いですが「Lose-Lose」の関係に陥りやすいです。
③妥協や和解:
双方が完全な解決を諦めます。WinでもLoseでもないため不満が残りますが、一応の解決となります。
④強制や指示:
解決策を他方に押し付けるため「Win-Lose」の関係になります。短期間の解決としては有効ですが、後に問題を生じる可能性があり、最後に採用すべき手段と言われます。
⑤協力や問題解決:
両者が異なる視点からの見解も取り入れて納得し合意を得る方法で、「Win-Win」の関係に繋がる可能性が高いとされます。意思決定には時間的要素が影響するため、早くても遅くても最良の判断にはなりません。

 まとめ

今回は、「資源マネジメントの実行」プロセス群について触れました。次回は、「資源のコントロール」プロセスについて解説していきます。

次回:【8ー4】資源マネジメントの監視・コントロール

ー くらしと仕事をワンランク上に ー
以上、YAKUMO(@yakumostyle)でした。

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