【6ー2】アーンド・バリュー・マネジメント(EVM)|PMP試験対策

PMP試験対策
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この記事はこんな方におすすめ
  • PMP試験の受験勉強をしている方
  • プロジェクトマネージャーを目指す方
  • プロジェクトマネジメント業務に興味のある方

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このページでは、PMP試験対策として「コストのコントロール」プロセスで重要なツールである『アーンド・バリュー・マネジメント』について解説してきます。
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『アーンド・バリュー・マネジメント(EVM)』とは?

アーンド・バリュー・マネジメント(EVM;Earned Value Manegement)は、プロジェクト進捗を測定し、計画と実績を対比して管理する手法です。

詳しくはこのあと解説していきますが、期間ごとの「計画値(PV)」「出来高(EV)」「実績値(AC)」をグラフ化し、スケジュール差異やコスト差異を一目で把握することができます。

EVMは米国で1960年代に行われた「ミニットマンミサイル開発計画」が始まりと言われ、その後1998年には「ANSI/EIA 748-1998」として規格化し世界的に普及されます。
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『EVM』で使われる3つのデータとは?

EVMでは、この3つのデータを基礎数値として分析します。PMP試験では、略語(PV、AC、EV)で設問に登場するので、しっかり覚えておきましょう。

①PV(Planned Value;プランド・バリュー;計画価値)

ある時期までに、プロジェクトに割り当てられた計画予算です。計画値に経営者承認済み変更を加えたベースライン(基準線)となります。

PV全体をパフォーマンス測定ベースライン(PMB)と呼ぶこともあります。

②AC(Actual Cost;実コスト)

ある時期までに、プロジェクトのために実際に支出された費用の累計値です。

実コストには、直接費、間接費を含みます。

③EV(Earned Value;アーンド・バリュー;出来高;達成価値;)

ある時期までに、着手/完了した作業に割り当てていた承認済み予算の合算値です。

一般的には、総予算に作業進捗率をかけた値となり、この値の使用がEV分析の特徴となります。

『EV分析指標』とは?

(引用:CrowdLog

プロジェクトが目標とする期間と予算の範囲内で達成できるように、「PV」「AC」「EV」の基礎数値をもとに指標を分析し、予定と実績の差異を把握する必要があります。これをEV分析と言い、次のような指標値があります。

指標を分析した結果、プロジェクト目標を達成することが困難と判断された場合、スケジュールやコストの変更(是正措置)を実施します。

①CPI(Cost Performance Index)

CPI=EV/AC

CPI(コストパフォーマンス指数)は、ある時期までに着手した作業に割り当てた ”予算値” と ”実際に支出したコスト” の比率です。

CPIが1より大きいと、コストは予算内と言えます。

②SPI(Schedule Performance Index)

SPI=EV/PV

SPI(スケジュール効率指数)は、ある時期までに着手した作業に割り当てられた ”予算値” と ”当初計画値” とのコスト比率です。

SPIが1より大きいと、スケジュールは守られていると言えます。

③CV(Cost Variance)

CV=EV-AC

CV(コスト差異)は、ある時期までに着手した作業に割り当てられた ”予算値” と その時期までの ”費用支出実績値” との差です。

CVがプラスだと、コストは予算内であると言えます。

④SV(Schedule Variance)

SV=EV-PV

SV(スケジュール差異)は、ある時期までに着手した作業に割り当てられた ”予算値” と その時期までの ”予定費用” との差です。

SVがプラスだと、スケジュールは守られていると言えます。

『予測指標値』とは?

(引用:VisiWork

EV分析で用いられる指標は、プロジェクト実行途中における指標です。プロジェクト完成時点の予測指標を分析するには、次のような指標値を利用します。

①BAC(Budget At Completion)

BAC(完成時総予算)は、プロジェクト完成までに使用予定の総予算です。これは、プロジェクト完成時点におけるPVとなります。

②EAC(Estimate At Completion)

<コスト差異が今後も続くと予想される場合>
EAC=AC+(BAC-EV)/CPI
EAC=AC+(BAC-EV)/(CPI✕SPI)

<コスト差異が今後は続かないと予測される場合>
EAC=AC+(BAC-EV)

<見積り前提に誤りがある場合 ※ボトムアップ再見積もりで求める>
EAC=AC+ETC

EAC(完成時総見積もり)は、プロジェクトの途中で見積もられた、プロジェクト完成時の予測支出額です。上記のように、EACは条件によって複数の式があります。

③VAC(Variance At Completion)

VAC=BAC-EAC

VAC(完成時差異)は、プロジェクトの途中で見積もられた、プロジェクト完成時の予算と見積りの差異です。

④ETC(Estimate To Completion)

ETC=EAC-AC

ETC(残作業見積り)は、現時点からプロジェクト完成時までに必要なコストの見積り額です。

再見積りを行ってETCとする場合もあります。

『残作業効率指数(TCPI)』とは?

BACに基づくTCPI:
TCPI=(BAC-EV)/(BAC-AC)

EACに基づくTCPI:
TCPI=(BAC-EV)/(EAC-AC)

さいごに残作業効率指数(TCPI;To-Complete-Performance-Index)は、残作業において達成すべきコストを示す指標です。上記2通りの式があり、EACが求められたあとのプロジェクトは、実質上BACよりEACが優先されます。

まとめ

今回は、「アーンド・バリュー・マネジメント(EVM)」について触れました。次回は、「プロジェクト・品質マネジメント」について解説していきます。

次回:【7ー1】プロジェクト・品質マネジメント

ー くらしと仕事をワンランク上に ー
以上、YAKUMO(@yakumostyle)でした。

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