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『プレシデンス・ダイアグラム法(PDM)』とは?
プレシデンス・ダイアグラム法(PDM;Precedence Diagramming Method)では、アクティビティをノード(ボックス)で示して、ノード間を矢印で結んで ”アクティビティの依存関係・順序” を表現されます。
ここでは、PDMにおけるアクティビティや順序、依存関係、関連する用語を解説していきます。
PDM:『アクティビティ』とは?
PDMでは、ノードを上画像のようなボックスで表現されます。各ボックスは、以下の内容が記載されます。
アクティビティ所要期間の見積りのプロセスによって算出された、アクティビティを完了するために必要な期間。 ※詳細はこちら
所要時間から見積もって、アクティビティを最も早く開始・終了できる期日。往復時間(フォワード・パス)計算によって求められる。
プロジェクトの終了期日から逆算して、遅くとも開始/終了しなければならない期日。復路時間(バックワード・パス)計算によって求められる。
いわゆるバッファ(余裕期間)。詳細は後述にて解説していきます。
PDM:『順序関係』とは?
PDMでは、次の4通りの順序関係を示すことができます。
PDM:終了ー開始(FS)関係
先行の作業が終了しないと、後続の作業が ”開始” できない場合に用いられる。
PDM:終了ー終了(FF)関係
先行の作業が終了しないと、後続の作業が ”終了” できない場合に用いられる。
PDM:開始ー開始(SS)関係
先行の作業が開始しないと、後続の作業が ”開始” できない場合に用いられる。
PDM:開始ー終了(SF)関係
先行の作業が開始しないと、後続の作業が ”終了” できない場合に用いられる。
PDM:『アクティビティの依存関係』とは?
アクティビティには次のような依存関係があります。これらの依存関係を考慮して、アクティビティの順序を決めていきます。
物理的・技術的な制約による必然性を伴う。(例:実装が終わらないとテスト出来ない)
必然性のない習慣的な順序で、「優先ロジック」「選考ロジック」とも呼ばれます。(例:期間が短いため、設計と並行して開発を進める)
プロジェクト・チーム外から発生するイベント。(例:作業端末、入館証の払出し)
プロジェクト・チームがコントロールするイベント。(例:チームリーダーの承認が下りないと、作業完了報告が出来ない)
PDM:『関連用語』とは?
ここからは、PDMやスケジュール作成で用いられる用語を紹介していきます。プロジェクトでの打ち合わせ等でも登場するワードですので、しっかりと理解していきましょう。
クリティカル・パス
クリティカル・パス(Critical Path)は「最長経路」の意味で、所要時間が最も長く、余裕のない経路を指します。例えば上画像では、赤線の経路がクリティカル・パスといえます(A→C:11日、B→D→E:8日)。
クリティカル・パスは最長期間ということから、”クリティカル・パス=プロジェクト全体の所要時間” ということが分かります。
フロート
フロート(Float)とは、”プロジェクトの終了日を遅らせることなく、アクティビティの開始を遅らせることのできる期間” を指します。
例えば上画像赤線の経路はクリティカル・パス上になく、いずれかのアクティビティが3日遅れてもプロジェクト終了日に間に合います。これは「3日のフロートがある」と言えます。
フリー・フロート
フロートには、”後続アクティビティの開始を遅らせずに、あるアクティビティの開始を遅らせることのできる期間” を指すフリー・フロートがあります。
前述の画像を例にすると、Eはクリティカル・パス上にないので3日遅れてもFの作業開始に影響はないのでフリー・フロートと言えます。しかし、Dが遅れるとEの作業開始は遅れるので、Dにはフリー・フロートがないと言えます。
リード
リード(Lead)とは、依存関係のある2つのアクティビティが重なる期間です。(後続アクティビティの開始を早め、先行アクティビティと重ね合わせる)
ラグ
ラグ(Lag)とは、、依存関係のある2つのアクティビティの空いた期間です。(先行アクティビティの終了から、後続アクティビティが開始するまでに一定期間をおく)
まとめ
今回は、「プレシデンス・ダイアグラム法(PDM)」について触れました。次回は、「スケジュールのコントロールと技法」について解説していきます。
ー くらしと仕事をワンランク上に ー
以上、YAKUMO(@yakumostyle)でした。
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