【5ー2】スケジュール作成とアクティビティ|PMP試験対策

PMP試験対策
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この記事はこんな方におすすめ
  • PMP試験の受験勉強をしている方
  • プロジェクトマネージャーを目指す方
  • プロジェクトマネジメント業務に興味のある方

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このページでは、PMP試験対策としてスケジュール・マネジメントにおける『スケジュール作成』と『アクティビティ』について解説してきます。
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『スケジュール作成』のフローは?

スケジュールは、”アクティビティの定義 → アクティビティの順序設定/所要時間の見積もり → スケジュール作成” といった流れで作成されます。

ここでは、各プロセスについて理解していきましょう。

スケジュール作成のもととなるアクティビティを定義するツールの1つに「ローリング・ウェーブ計画法」があります。これは段階的詳細化(Progressive Elaboration)という考え方で、直近作業は詳細に、将来のの作業は粗い単位で計画する方式で、将来の作業は時期が近づいたら詳細化していきます。
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『アクティビティ』の定義とは?

スケジュールの作成は、アクティビティを定義することから始まります。アクティビティ(Activity)とは、プロジェクトで実行する作業の最小単位でスケジュールを作成するための最小単位の作業と言います。

例えば、アプリ開発のWBSで「設計」と定義されている場合に、アクティビティは「〇〇画面の設計」のように具体的な作業や手順が定義されます。

プロジェクトによっては、ワーク・パッケージをそのままアクティビティとすることもあれば、より細かく要素を分解して定義することもあります。

要求事項に対して、このアクティビティにかかる所要時間、予算、資源を定めていきます。

『アクティビティ』の順序設定とは?

アクティビティを定義したら、アクティビティ間の順序関係を設定します。プロジェクトで実行するアクティビティの順序関係の表現に、プロジェクト・スケジュール・ネットワーク図があります。

プロジェクト・スケジュール・ネットワーク図

プロジェクト・スケジュール・ネットワーク図Preoject Schedule Network diagram)では、アクティビティをノード(ボックス)で示し、ノード間を矢印で結んでアクティビティの依存関係や順序が表されます

この表現には、プレシデンス・ダイアグラム法(PDM;Precedence Diagramming Method)が用いられます。(詳しくはこちらのページにで解説していますので、ここでは割愛します。)

『アクティビティ』の所要時間の見積りとは?

アクティビティの順序設定と並行して、スケジュール・アクティビティのために必要な所要時間の見積りを行います。その際、次の要因を考慮して見積りを行う必要があります。

収穫逓減の法則:
資源を追加投入しても、徐々に生産量の増分は減少する。
資源の数:
資源の数を倍に増やしても、時間が半減されるとは限らない。
技術の進歩:
最新技術を利用すれば、生産性が向上できる可能性がある。
スタッフの動機付け:
学生症候群:締切の最後まで作業を先延ばしにする。
パーキンソンの法則:余裕があっても与えられた時間をすべて使う。

また、次の代表的な7つの見積り技法も覚えておきましょう。

①類推見積り

類推見積り(Analogous Estimating)とは、過去の類似プロジェクトのアクティビティのデータを使う(過去の経験に基づく)手法で、トップダウン見積りとも呼ばれます。

精度は粗くも全体を早く見積もることができるので、実際の現場ではよく用いられます。

②パラメトリック見積り

パラメトリック見積り(Parametric Estimating)とは、過去のデータや統計量のパラメータ(係数)に基づいて見積る手法で、係数法や係数モデルとも呼ばれます。

機械的に行われることから誰でも同じ精度で見積りができますが、蓄積されたデータやサンプル数に依存するため、過去事例が少ない場合は精度が下がる可能性もあります。

③三点見積り

三点見積り(Three-point Estimating)は、最可能値(M)、楽観値(O)、悲観値(P)の3つの値で、平均値(A)やばらつき(標準偏差値)等を推定する見積り手法です。

最可能値(M):
経験や実績を基に、アクティビティ完了に必要であると予想される値。
楽観値(O):
実際にすべてのアクティビティが円滑に進んだ際の最短の値。
悲観値(P):
悪条件が重なって円滑にアクティビティが進まなかった場合の値。

これら3つの値を使って平均値(所要期間の期待値)Aを求める際は、「A=(O+M+P)/3」の計算式で求められます。

PERTなどではベータ分布を仮定し、平均値(所要期間の期待値)Aを求める際は、「A=(O+4M+P)/6」の計算式で求められます。

④ボトムアップ見積り

ボトムアップ見積り(Bottom-up Estimaiting)は、WBSのワーク・パッケージに対して見積り・集計してプロジェクトの所要時間を見積る手法です。

成果物や作業を分解して精度の高い見積りが出せるメリットがある一方で、見積りに時間がかかるというデメリットがあります。

⑤予備設定分析

予備設定分析(Reserve Analysis)は、スケジュール見積りの不確かさ(リスク)に対して、どれだけのコンティンジェンシー予備(予備期間)を設定するかを目的としています。

一般的には「バッファ」や「既知の未知のリスク」と呼ばれます。

⑥五指投票

五指投票(First of five / First of five)は、アジャイル型プロジェクトで用いられることが多く、「グー(5本指を閉じる)=支持しない」~「パー(5本指を開く)=完全に支持する」といったように、5本指の何本を上げるかで、その所要時間への支持の程度が示されます

3本より少ない指を上げたメンバは意義を述べる機会が与えれ、チームとして合意する(全員が3本以上の指を上げる)までか、これ以外の手法を用います。

⑦相対見積り

対見積りは、基準となるアクティビティ(タスク)と比較して、相対的に作業量や規模感の算出を行う見積り方法です。

アジャイル開発では、チーム全員が各視点や経験をもとに見積りプロセスに参加することで、精度の向上が見込まれる「プランニングポーカー」と呼ばれる手法が用いられます。

『スケジュール作成』とは?

アクティビティの定義・順序設定・所要時間の見積りが完了すると、ようやくスケジュールを表すことができます。代表的なプロジェクト・スケジュール形式は、次の3つがあります。

①マイルストーン・チャート

(引用:Lychee REDMINE

マイルストーン・チャート(Milestone Chart)は、プロジェクトの中で区切りや中間目標となる重要イベントをスケジュール上に表したスケジュールを言います。

マイルストーンとは ”道路や線路にある距離を記する標識” のことで、1マイル(Mile)の間隔で標石(Stone)を置いていたことから由来します。

②バー・チャート(ガント・チャート)

(引用:デジマール

バー・チャート(Bar Chart)はガント・チャート(Gantt Chart)とも呼ばれ、縦軸に作業、横軸に時間軸を表し、各作業がどの期間に実施されるかを棒線(Bar)で表すスケジュールを言います。

アクティビティの依存関係を表現できないため計画には向いていませんが、視覚的に分かりやすく、進捗管理に利便性が高いことからプロジェクトの実行段階によく使われます。

③プロジェクト・スケジュール・ネットワーク図

前述の「アクティビティの順序設定」にて紹介していますのでこちらでは割愛します。

まとめ

今回は、「スケジュール作成」と「アクティビティ」について触れました。次回は、「スケジュール作成」と「スケジュール短縮の技法と資源最適化」について解説していきます。

次回:【5ー3】スケジュール作成 / 短縮の技法と資源最適化

ー くらしと仕事をワンランク上に ー
以上、YAKUMO(@yakumostyle)でした。

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