【10-2】リスクマネジメントの計画|PMP試験対策

PMP試験対策
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この記事はこんな方におすすめ
  • PMP試験の受験勉強をしている方
  • プロジェクトマネージャーを目指す方
  • プロジェクトマネジメント業務に興味のある方

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このページでは、PMP試験対策として『リスクマネジメントの計画』プロセス群について解説してきます。
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『リスク・マネジメント』の計画プロセスとは?

リスク・マネジメントのプロセス群には、次の5つのプロセスがあります。それぞれ理解していきましょう。

【1】リスク・マネジメントの計画
【2】リスクの特定
【3】リスクの定性的分析
【4】リスクの定量的分析
【5】リスク対応の計画
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【1】『リスク・マネジメントの計画』とは?

リスク・マネジメントの計画(Plan Risk Management)プロセスでは、プロジェクトのリスク・マネジメント活動をどのように行うかを計画します。リスクはプロジェクトの成功に大きく影響するため、リスク・マネジメントは重要なプロセスになります。

『リスク・マネジメントの計画』のインプット情報は?

リスク・マネジメントの計画プロセスのインプット情報には次が挙げられます。

プロジェクトマネジメント計画書:
スコープ・マネジメント計画書、コスト・マネジメント計画書、スケジュール・マネジメント計画書、コミュニケーション・マネジメント計画書
プロジェクト文書:
ステークホルダー登録簿
組織体の環境要因:
ステークホルダーのリスク閾値 ※個人や組織により大きく異なる
組織のプロセス資産:
組織のリスク方針、リスク区分、共通用語、役割と責任、教訓リポジトリ

『リスク・マネジメントの計画』のツールと技法は?

リスク・マネジメントの計画プロセスのツールと技法には次が挙げられます。

専門家の判断
データ分析
会議

『リスク・マネジメントの計画』のアウトプットは?

リスク・マネジメントの計画プロセスのアウトプットは1つで、「リスク・マネジメント計画書」となります。。リスク・マネジメント計画書には以下の項目が記載されます。

リスク戦略
方法論(ツール、方式)
役割と責任
資金調達(リスク・マネジメントのための予算)
タイミング(実行頻度)
リスク区分(リスク・ブレークダウン・ストラクチャー(RBS)で表現)
・技術的リスク(要求事項、技術、性能、品質等)
・外部リスク(下請・納入者、規制、市場、顧客等)
・組織上のリスク(資源、資金、優先度等)
・環境上のリスク(方針、自然環境等)
・プロジェクトマネジメント・リスク(見積り、計画、コントロール等)
ステークホルダーのリスク選好(測定可能な閾値)
・リスクの発生確率と影響度の定義
・発生確率・影響度マトリックス
・報告書式
・追跡調査

【2】『リスクの特定』とは?

リスクの特定(Identify Risks)プロセスでは、プロジェクトで発生しうるリスクの洗い出しと影響を見定めます。ここでは、後述のインプット情報やツールや技法を使って見定めていきます。

『リスクの特定』のインプット情報は?

リスクの特定プロセスのインプット情報には次が挙げられます。

プロジェクトマネジメント計画書:
リスク・マネジメント計画書、コスト・マネジメント計画書、スケジュール・マネジメント計画書、品質マネジメント計画書、資源マネジメント計画書、スコープ・ベースライン、スケジュール・ベースライン、コスト・ベースライン等
プロジェクト文書:
前提条件ログ、コスト見積り、所要時間見積り、教訓登録簿、ステークホルダー登録簿等
合意書
調達文書
組織体の環境要因
組織のプロセス資産

『リスクの特定』のツールと技法は?

リスクの特定プロセスのツールと技法には次が挙げられます。

専門家の判断
データ収集:
ブレーンストーミング、チェックリスト、インタビュー
データ分析:
根本原因分析、前提条件と制約条件の分析、SWOT分析、文書分析
人間関係とチームに関するスキル:
ファシリテーション
プロンプト・リスト(リスク区分のあらかじめ決められたリスト)
会議

『リスクの特定』のアウトプットは?

リスク特定の重要なアウトプットは「リスク登録簿」です。リスク登録簿には次の情報が含まれます。

特定したリスクのリスト
リスク・オーナー候補
リスク対応策案のリスト

【3】『リスクの定性的分析』とは?

リスクの定性的分析(Perform Qualitative Risk Analysis)では、個別リスクに優先順位をつけるために定性的な分析を行います。

「定性」とは、数値化できない要素のことを言います。

『リスクの定性的分析』のツールと技法は?

(引用:Promapedia

リスクの定性的分析プロセスのツールと技法には次が挙げられます。

専門家の判断
データ分析:
リスク・データ品質査定、リスク発生確率・影響度査定、その他のリスク・パラーメータの査定
人間関係とチームに関するスキル:
ファシリテーション
リスク区分化
データ表現:
発生確率・影響度マトリックス(上画像参照)、階層構造図
会議

『リスクの定性的分析』のアウトプットは?

リスクの定性的分析のアウトプットは、プロジェクト文書更新版(前提条件ログ、課題ログ、リスク登録簿、リスク報告書の更新)です。更新する情報は以下となります。

各個別リスクの発生確率と影響度の査定
優先レベル、リスクスコア
指名されたリスク・オーナー
リスク緊急度情報、リスク区分可
優先レベル低、またさらなる分析を要するリスクのリスト

【4】『リスクの定量的分析』とは?

リスクの定量的分析(Perform Quantitative Risk Analysis)プロセスでは、プロジェクトの全体リスク(個別リスク、不確実性要因等)のエクスポージャー(割合)を定量化・分析します。

定量的とは、物事を数値や数量で捉える事をいいます。

『リスクの定量的分析』のツールと技法は?

リスクの定量的分析プロセスのツールと技法には次が挙げられます。

専門家の判断
データ収集:
インタビュー
人間関係とチームに関するスキル:
ファシリテーション
不確実性の表現:
確率分布、ベータ分布(PERT)、三角分布
データ分析:
シュミレーション、感度分析

『リスクの定量的分析』のアウトプットは?

リスクの定量的分析のアウトプットは、プロジェクト文書更新版(主にリスク報告書)です。更新する情報は以下となります。

プロジェクトの全体リスク・エクスポージャーの評価
プロジェクトの詳細な確率的分析
プロジェクトの個別リスクが優先順位付けされたリスト
リスクの定量的分析結果の傾向
推奨されるリスク対応策

 

【5】『リスク対応の計画』とは?

リスク対応の計画(Plan Risk Responses)プロセスでは、発生する可能性のあるリスクに対応する計画を作ります。これはマイナス影響のリスクだけでなく、プラスのリスクに対しても行います。

『リスク対応の計画』のツールと技法は?

リスク対応の計画プロセスのツールと技法には次が挙げられます。

専門家の判断
データ収集:
インタビュー
人間関係とチームに関するスキル:
ファシリテーション
脅威のへの戦略:
エスカレーション、回避、転嫁、軽減、受容
好機への戦略:
エスカレーション、活用、強化、共有、受容
コンティンジェンシー対応戦略
プロジェクトの全体リスクのための戦略
データ分析:
代替案分析、費用便益分析
意思決定:
多基準意思決定分析

『リスク対応の計画』のアウトプットは?

リスク対応の計画プロセスのアウトプットには次が挙げられます。

要求変更:
コスト・ベースライン、スケジュール・ベースライン、プロジェクト・マネジメント計画書
プロジェクトマネジメント計画書更新版:
各種マネジメント計画書、プロジェクト・ベースライン
プロジェクト文書更新版:
前提条件ログ、コスト予測、教訓登録簿、プロジェクト・スケジュール、プロジェクト・チーム割当て、リスク登録簿、リスク報告書

まとめ

今回は、「リスクマネジメントの計画」プロセス群について触れました。次回は、「リスクマネジメントの実行と監視」について解説していきます。

次回:【10-3】リスクマネジメントの実行と監視

ー くらしと仕事をワンランク上に ー
以上、YAKUMO(@yakumostyle)でした。

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