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『品質マネジメントの計画』とは?
「品質マネジメントの計画」(Plan Quality Management)プロセスでは、組織の品質方針に基づいてプロジェクトの品質標準を取り決めて『品質マネジメント計画書』を作成します。
『品質マネジメント計画書』の作成とは?
品質マネジメント計画書(Quality Management Plan)は、プロジェクトマネジメント・チームがどのように品質方針を実践するかを記述した重要文書で、プロジェクトマネジメント計画書やプロジェクト文書、組織体の規制や品質方針や手順、過去データなどを参照して作成されます。
そして、品質マネジメント計画書には次のような内容がまとめられます。
『品質マネジメント計画書』のポイントとは?
品質マネジメント計画書には前述の内容を記載しますが、作成する際は次の3つのポイントが軸となります。基本的な概念となりますので覚えておきましょう。
①『正確さ』と『精密さ』の概念
品質マネジメント計画書を作成する際、測定値を扱う場合は適切な「正確さ」と「精密さ」の概念を決めておかないと品質マネジメントはできません。
PMP試験においては、「正確さ」は目標値との差分、「精密さ」は厳密な尺度でのばらつき具合と覚えておけばよいでしょう。
②『品質方針』の取り決め
品質方針(Quality Policy)とは、プロジェクトが適用すべき品質ガイドラインで、組織のプロセス資産に含まれる項目です。品質方針はトップ・マネジメントによって公式に表明されるべきとされ、品質計画プロセスのインプット情報にもなっています。
③『標準』と『規制』の違い
標準(Standard)と規制(Regulations)は、品質マネジメントの計画プロセスのインプット情報となり、品質マネジメント計画書に情報を入れることが望ましいとされています。それぞれ次の意味合いを持ち、組織体の環境要因に含まれているものでもあります。
共通で繰り返し使用できるように定められたルール、ガイドライン。認知された団体によって承認されたものではあるが、強制力はない。
製品、プロセス、サービスの特性を記した文書で、管理規定も含まれている。強制力があり、法規と同等の扱い。
『品質マネジメントの計画』のツールと技法は?
品質マネジメントの計画プロセスにおける、ツールと技法には次のようなものが挙げられます。
①データ収集
品質マネジメントの計画プロセスではさまざまデータを収集しますが、その際は次のような技法が挙げられます。
②データ分析
品質マネジメントの計画プロセスではさまざまデータを分析しますが、その際は次のような技法が挙げられます。
品質要求に対するコストと便益を比較してトレードオフを検討するもの。
製品やサービスの品質を達成するために費やされるコスト。
③データ表現
品質マネジメントの計画プロセスではさまざまデータを表現しますが、その際は次のような技法が挙げられます。
代表的なものとしてSIPOCモデルが挙げられます(上画像参照)。
組織が所有するデータを視覚的に表現したもので、データの整合性や品質上の問題がないかのチェックに利用されます。(ソフトウェア開発におけるER図と同様のもの)
マトリックス形式で項目やデータを表現することで、さまざまな要因、原因、目標感の関係の強さなどをチェックします。
英国の教育者トニー・ブザン氏が提唱した思考表現方法で、中心となるキーワードから関連する言葉やイメージを繋いだ放射状の図を言います。考えや記憶、アイデアの整理に役立ちます。
【品質マネジメントの計画』のアウトプットは?
品質マネジメントの計画プロセスでは、次の3つがアウトプットとなります。
前述の通り、組織の品質方針に基づいてプロジェクトの品質標準を『品質マネジメント計画書』としてまとめます。
品質マネジメント対象が何か、後続の「品質のコントロール」プロセスでどのように測定するのかを具体的に記述します。
ステークホルダー登録簿、教訓登録簿、リスク登録簿、要求事項トレーサビリティ・マトリックス等を更新します。
まとめ
今回は、「品質マネジメントの計画」について触れました。次回は、「品質のマネジメント」について解説していきます。
ー くらしと仕事をワンランク上に ー
以上、YAKUMO(@yakumostyle)でした。
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