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『コストマネジメント』とは?
コストマネジメントとは、”プロジェクトを予算内に収めるために、必要コストの見積りや予算設定、コントロールの活動” のことを言います。
プロジェクトを予算内で確実に完了させるために、コストマネジメントでは次の4つのプロセスが実行されます。ここでは、各プロセスについて解説していきます。
①『コスト・マネジメント計画書』とは?
コストマネジメントの計画では、プロジェクトマネジメント計画書の構成要素の1つとなる「コスト・マネジメント計画書(Cost Management Plan)」が作成されます。
コスト・マネジメント計画書は、プロジェクトの ”コストに関する書式やマネジメント基準” を規定した文書で、ステークホルダーのニーズに応じて公式なもの非公式なもの、詳細なもの概要的なものと様々な形態があります。
②『コストの見積り』とは?
コスト・マネジメント計画書にて方針や手順が決まると、コストの見積り(Estimate Costs)プロセスでプロジェクトやアクティビティに必要な資源に対して”妥当なコストを定量的に見積り” を行います。
プロジェクトにとって最適なコストが見積りできるように、「内製」にするか「委託」にするの案も検討します。そして、次の事項か記載されて ”コストの見積りは文書化” されます。
各アクティビティ完了に必要なコスト。労力や資材のコスト以外に、資金調達コスト(金利含む)やコンティンジェンシー予備なども含まれます。
どのように見積もって算出されたコストなのかを説明する資料。前提条件、制約条件、最終見積りの信頼水準などが含まれます。
③『予算の設定』とは?
コストの見積りが終わると、予算の設定(Determine Budget)プロセスで見積もられたコストを精算してプロジェクト全体の予算を算出し、コスト・ベースラインの作成および承認を得ます。
コスト・ベースライン
コスト・ベースライン(Cost Baseline)はプロジェクトに必要な予算の基準値のことで、時間軸でてプロジェクトの認可済み予算を反映し、プロジェクトのコスト実績の測定や監視に使用されます。
一般的に、コスト・ベースラインは ”S字型の曲線” が描かれ、一定の期間で必要な分だけ予算が与えられます。また「コンティンジェンシー予備費」が含まれますが、「マネジメント予備費」は含まれません。
予算設定の技法
予算の設定には、専門家の判断、データ分析、資金調達などのほかに次のような技法があります。
過去の情報をレビューすることで、精度の高い予算を作成する目的行われます。
プロジェクトのある時点で資金が限度額を超えそうな場合に、支出額を平準化するためにスケジュールを行います。
④『コストのコントロール』とは?
コストのコントロールは、プロジェクトを監視し、コスト・ベースラインへの変更をマネジメントするプロセスです。プロジェクトの全体を通してコスト・ベースラインを維持していくために、以下のような作業を実行します。
分析にはアーンド・バリュー・マネジメント法(EVM)が使用され、コスト、スケジュール、スコープを統合的に測定します。分析結果は文書化し、コスト・ベースラインの変更が必要な場合は変更要求を行います。
コストに関連する『基本用語』は?
プロジェクトでは、さまざまなコストを扱います。コストマネジメントにおいて、以下は重要なものですのでしっかりと覚えておきましょう。
プロジェクトの人員や設備などの規模に応じて変化するコスト。
プロジェクト規模(資源量)が変化しても変化しない一定額のコスト。
プロジェクト・メンバーの費用、資材費、外注費などのプロジェクトが直接負担するコスト。
業務を行うために組織全体で使用されるコスト。(一部がプロジェクト費用負担となる)
既知のリスクに対して備えておく予備費。(通常コスト・ベースラインに組み込まれる)
未知のリスクに備えておく予備費。(通常コスト・ベースラインに組み込まれない)
プロジェクトには直接関わらないが、業務を行う上で必要なコスト。
まとめ
今回は、「コストマネジメント」について触れました。次回は、「アーンド・バリュー・マネジメント(EVM)」について解説していきます。
ー くらしと仕事をワンランク上に ー
以上、YAKUMO(@yakumostyle)でした。
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