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『ガバナンス』とは?
ガバナンス(Governance)とは、「統治・支配・管理」などを意味します。ここでは、「組織のガバナンス」と「プロジェクトのガバナンス」をしっかりと理解しておきましょう。
組織のガバナンス
ガバナンスとは、組織の所有者が組織行動を制御するための仕組みです。組織が目的達成に向けて適切に行動するように誘導し、その長期的な維持・存続・発展を可能にするために、採られる全ての統治・支配行動を指しています。(環境省HPより抜粋)
環境省では、ガバナンスを上記のように説明しています。簡潔にすると、組織が持続的な成長を遂げるための戦略的な意思決定、実行、マネジメントなどの取り決めを指します。
プロジェクトのガバナンス
プロジェクト・ガバナンスは、組織のガバナンスや戦略と整合させてプロジェクトを監督・管理する仕組みを指しており、プロジェクトの目標達成を確実にするために行われます。
プロジェクト・ガバナンスには、「プロジェクトの意思決定」「役割定義」「成功の責任」が含まれており、プロジェクト・マネージャーに必要な条件が定められています。
また、プロジェクトの成功基準や進捗状況のエスカレーション手順などの取り決めは、プロジェクトマネジメント計画書に記述すべきとされています。
『組織構造』とは?
組織には、次のようなタイプの組織構造があります。組織構造によって、プロジェクト・マネージャーの役割が変わってくるのでそれぞれ理解しておきましょう。
①機能型
業務内容によって組織が分かれる古典的かつ最も一般的な形態です。組織図でいうと、経理部、営業部、システム部のように部署が分かれ、さらにはシステム部の中にインフラ、ネットワークのように専門のグループに細分化されます。
この組織の場合は、所属部署に席を置きながらプロジェクトに参加することになるため、”プロジェクト・マネージャーよりも所属長の方が権限が強い” といった状況になります。
そのため、独立した権限を持つプロジェクト・マネージャーは存在しません。
②プロジェクト指向
システム開発やプロダクト開発でよくみられる形態で、プロジェクト毎に各専門スキルを持つ人材を集めてチームを作り、各プロジェクト・マネージャーが統率及び推進します。プロジェクト・マネージャーは独立した権限を持つため、経営幹部に直接報告する立場となります。
プロジェクト単位で業務を行うため、プロジェクトが完了すればそのチームは解散し、部門に戻ったり違うチームに参画する特徴があります。
③マトリックス型
機能型組織とプロジェクト指向組織の中間的な組織構造で、さらに次の3つに分類されます。
弱いマトリックス型組織
機能型組織をベースに、部署(機能)を横断するメンバーによるプロジェクトが編成されます。この場合のプロジェクト・マネージャーは、主に調整・促進者の役割となります。
強いマトリックス型組織
プロジェクト指向組織と同様に、プロジェクト・マネージャーは独立した権限を持っていますが、プロジェクトメンバーが各部署(機能)から任命される組織構造です。
大規模で複雑なプロジェクトでは推進力を発揮しますが、命令系統(上長、マネージャー)が複数になることで異なる指示に困惑する可能性があります。
バランス・マトリックス型組織
上記マトリックス組織の中間的な組織構造で、部署(機能)を跨いだプロジェクトで、いずれかの部署からプロジェクト・マネージャーが任命されるケースです。
この場合は、直接経営幹部に報告する立場にはなりません。
④仮想型
バーチャルチームとも呼ばれる仮想型(Virutual)組織は、ほぼ対面することなく、物理的に離れた拠点からネットワーク経由で連絡を行いながらプロジェクトを推進する組織構造です。働き方改革、ビジネスのグローバル化などの推進もあり増加傾向にあります。
まとめ
今回は、プロジェクトにおける「ガバナンス」と「組織構造」について触れました。次回は、組織の「プロセス資産」と「環境要因」について解説していきます。
ー くらしと仕事をワンランク上に ー
以上、YAKUMO(@yakumostyle)でした。
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